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金のクマちゃんより大切なもの
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宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が、ベルリン国際映画祭で最優秀賞にあたる金熊賞を受賞しました。ソルトレイク・オリンピックでは、日本勢の金メダルが難しい状況ですが、金のクマちゃんで、我々の胸のつっかえもとれた感じです。ところが、宮崎監督の胸中は複雑なようで・・・。
宮崎駿・高畑勲のスタジオ・ジブリ作品は、子供も好きで、親も安心して見せられる。もっと言うと親が子供に見せたい部類のアニメーションと言えるだろう。
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公園で遊ぶ子供たち
※写真は文と関係ありません |
ウチの子供も『となりのトトロ』や『紅の豚』が好きで、ビデオが擦り切れる程、繰り返し見ている。ビデオとなると、まぁ子供は何度でも同じものを見れる。よく飽きないものだと感心する程だ。
そのトトロや豚に、何度助けられたことか。カミさんも掃除や洗濯ができるし、こちらも新聞が読めるし、昼寝をじゃまされない。
その宮崎監督の作品が、ベルリン映画祭の最優秀賞の金熊賞だ。
アニメが世界3大映画祭(カンヌ・ベルリン・ベネチア映画祭。昔はモスクワ映画祭を入れて、世界4大映画祭といってたが)の大賞を受賞したのも、初の快挙で、監督本人もさぞ喜びのコメントをだしていると思ったのですが・・・。
インターネットのビデオ会見で宮崎監督のコメントを聞くと、最近の子供の生活習慣について、複雑な胸中を語っています。
以下、宮崎監督の会見時のコメントです。
『 僕は映画賞の為に映画を作るのではなく、子供たちの為に作っている。
今の日本のアニメ界はどんづまりだ。最近の作り手である若い人は、自分の目で見たものを拾ってこない。コピーのコピーだ。
これは、アニメーションの世界だけの話じゃない。
最近の日本の生活習慣に根本的な問題があるのではないか。
電車や美術館、カフェで、母親が携帯を使う横で子供はゲームしている。
だらしないったら、ありゃしない。子供がだらしないのではなく、親がだらしない、その親の親もだらしない。
僕らがアニメを作って、そのビデオを売り、そうした問題の一端を担ってしまっている。
“ウチの子供は必ず、トトロを一日3回も見てるんですよ”と言われたが、そのビデオを見てる4,5時間で、本当はどれだけの体験が出来たか。トトロのパッケージに“誕生日だけ見てください”、とでも書いときゃ良かった。
そんなことで、まともな子供が育つわけがない。凶悪な事件も起こすよ。
これは一軒の家庭が、自分の子だけ直そうとしても無理なんだよ。
なんとかして地域で、子供たちの育て方や環境、そして子供たちの感覚が、もっとバランスをとって発達する空間を意識的に作らなければならない。この国の株価が下がるなどの話よりも、子供たちが元気かということが重要だ。
喜ばれれば喜ばれるほど、テレビの前に3回も釘付けになるということで、“これでいいのか”とジレンマに陥ってしまう。』
しかし自分の作品を何度も見ると、子供の健全な育成の時間を奪う、と言い切る監督は他にいないだろうな。
ただ宮崎監督も極端な例をだされたが、その作品的には良質の内容で、子供のイマジネーションを伸ばしてくれていると思う。
逆にテレビを見る時間を減らし、その空いた時間をどう活かすかも問題だ。
確かに現代社会を考えると、自然や伝統、そして家族とのつながりが希薄になっている環境下で、子供は成長している。
それがそのまま短絡的に結び付けられないが、近年の少年犯罪が凶悪化しているのも事実だ。他人とどう接していいか判らず、無表情で、そしてすぐキレる若者が増えてはいないか。
あの“カオナシ”みたいに・・・。
千尋にはカオナシを見捨てることなく、やさしく接しさせ癒している。
宮崎監督の、子供たちにむける視線は熱く、やさしい。
さぁウチも週末はテレビを消し、できるだけ子供とスキンシップをとろうかな。
嫌がられるかもしれないが・・・。
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