ホーム博多ARE-KORE>博多の味 おきゅうと

博多の朝の食卓に欠かせない食べ物はというと、“おきゅうと”をあげる人も多い。眠けの覚めやらぬ朝、磯の香りに、ひんやりとつるつるのおきゅうとで、博多の一日が明けます。
第10回 博多の味 おきゅうと
 戦前の博多の朝は、“おきゅうと”売りの声で夜が明けました。小学生が、おきゅうとの入った木箱を肩から一本のタスキで吊るし、「とわい、おきゅうとわい、おきゅうとー」と呼びながら売り歩く光景があったからです。

 これが戦後になって法律で禁止されたために、いつしか毎朝の食卓に、おきゅうとがあがらなくなった、ともいわれます。もちろんパン食など、日本人の食生活の変化もその原因でしょうが。

 おきゅうとの原料は海草のエゴノリで、これは日本海沿岸で広く食べられていますが、その名称・形・食べ方は博多独特なものみたいです。

 “おきゅうと”の語源ですが、以下の様な諸説があります。
  1. 「沖の独活(ウド)」説。エゴノリはウドの木の様に早く育つので、沖のウドが転訛した。
  2. 沖人(おきうど)説。沖から来た漁師がその製法を教えてくれたので。
  3. 救人(きゅうと)説。飢饉の時に食され、人を救ったので。
 形は大判形で、1枚1枚丸く包んで売られています。
通常はこれを細切りにし、好みで鰹節にゴマをかけ、醤油で食べます。


 ところで、この“おきゅうと”の食感を説明するのに、同じ海草類のトコロテンと、見た目が似ているコンニャクも入れて食べ比べてみました。

 上がおきゅうと、下の左がさしみコンニャク、その右がトコロテン。ちなみにコンニャクは芋類なので、海草仲間の青ノリ風味にしました。

 知っての通り、コンニャクは弾力性があり、歯ごたえもあります。
これまた知っての通り、トコロテンの弾力性はそんなになく、噛むとプッンと切れ、歯ごたえもそんなにありません。
おきゅうとですが、弾力性は無く、もたっとやわらかい食感です。磯の香りは、一番強いです。
また、トコロテンの口あたりががツルンとすると、おきゅうとはツルって感じですかね。


 皆さんも博多にお越しの際は、ぜひご賞味を。
【参考文献】
『ふくおか歴史散歩 第4巻』 福岡市
『博多の絵日記』 江頭光
『博多だいありい』 博多を語る会
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